第2回「わらびと野ぶき」レポート
5月26日、第2回「わらびと野ぶき」を開催いたしました。参加者は7名、京都、大阪、兵庫などから沢山の方々にお越しいただきました。清々しい初夏の日差し、みんなで竹笠を着けて森に向かいます。見慣れないご家族の竹笠姿にふと笑いがこぼれます。
まずは木陰のわらび採り。5月中旬に気温が上がったため、多くのわらびの葉が開いてしまった後でした。しかし、その葉をそっと動かすと、遅れて出てきた小さなわらびが顔を出します。ポキッ、ポキッと茎を折る感触が心地よく、ついつい採りすぎてしまいます。
森の中程にある小さな丘、そこには一面に野ぶきが自生しています。両手いっぱいに野ぶきを持った子どもたちに、一本の草を渡し、束の作り方を教える百姓の本田さん。手元を見つめる彼らの眼差しに、知恵を受け継ぐことの大切さを感じます。
本田さんに案内されて季節の実山椒も採ることに。何でしょうね、いっぱいになった木の実を見ると嬉しくなるのは、人間の本能でしょうか。ほんの数分で手のひらいっぱいに実山椒を収穫できました。
建屋に戻って瀧村料理長によるお料理講座です。まずは下拵えから始めます。いっぱいのわらびに木灰をかぶせて熱湯をかけると、アルカリ性のお湯に灰汁が溶け出し、一晩もすれば灰汁が抜けるそうです。
ふきは茹でてから皮をむきます。パスタのように束にして、根本の硬い方をまず湯につけます、そうすると全体が同じ硬さにできるそうです。赤ちゃんも興味津々の眼差しでお父さんとお母さんの皮剥きを観察中、来年は自分でできるといいですね。
料理も中盤、料理男子たちに手伝ってもらいます。お兄さんは普段からお母さんのお手伝いをしているようで、さすがの包丁さばき。弟くんは料理長と一緒に特訓です。
あっという間にできた3品、わらびの酢味噌和え、野ぶきのペペロンチーノと焼きおにぎりを食べながら調理法などを料理長に質問します。なんと蚕を育て始めたというお母さん、桑の葉が必要だそうですが、町には無いとのことで森に取りに来ていただくことに。最後に森のお話をさせていただいて、みなさまを見送りました。
スギ・ヒノキなどの針葉樹植林地では高木によって日が遮られ、山菜が育つ場所は少なくなったそうです。収穫したわらびや野ぶきは、誰かが植えたわけではなく、鳥などの動物によって自然と運び込まれたもの。和久傳ノ森は、鎮守の森と同じタブ、シイ、カシノキなどを中心とした照葉樹林、様々ないのちの住処となります。また来年、どんな新しいいのちと出会えるのか、わたしたちも楽しみです。
第3回「桑の実」
6/16(日)14:00-
参加人数:15名
第4回「昆虫採集と流しそうめん」
7/27(土)、28(日)14:00-
参加人数:各日30名
「Farmer’s Market in Wakuden no Mori」
6/22(土)11:00 - 14:00
場所:和久傳ノ森
出店:梅本農場、いけ田ファーム、自然耕房あおき
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
− 土の学校について −
和久傳ノ森での体験を、京丹後にお越しいただく方にお届けするためのワークショップです。植物生態学者の宮脇昭先生のご指導により、工業団地から森となった和久傳ノ森。10年という長い時間をかけ、植樹を行なった苗は根を張り、今では四季折々の姿を私たちに見せてくれます。この森づくりは、すべて「土」からはじまりました。土に触れ、心も身体も耕し、大地の恵みを和久傳ノ森のなかで過ごしていただける時間です。